2011年3月6日日曜日

なぜ日本のEVベンチャー「ゼロスポーツ」が破綻したのか?

先月、ある上海の自動車工場で、偶然ゼロスポーツの中島社長とお会いした。その直後のニュースで「ゼロスポーツ」が破産申請をすることを発表した。えっ~~~と愕然とした。ゼロスポーツは20108月、日本郵便から集配用EVとして1030台約35億円の受注をし注目された。来年度末までに残りの1000台を納品する予定だった。しかし、121日の最初の納期に車両が間に合わず、日本郵便から契約解除の通知および契約金の2割である約7億円が違約金として発生する通告があった。

なぜ、2001年からコンバージョンEVの制作経験を持ち、実証実験として日本郵便に合計10台のEVを納品実績があるゼロスポーツが1月の20台納品に間に合わなかったのか。昨年8月の日本郵便からの発注1030台はスバル『サンバー』をベースに、集配用途に合うように現場の声を反映させた言わば日本郵便とゼロスポーツの共同開発のEVだった。

ゼロスポーツは随時契約の条件を満たしていたのだが、サンバーからハイゼットへの車両変更が条件外になるおそれがわかった。ここを付かれて契約解除にいたった。日本郵便はベンチャー企業のために危ない橋を渡ることを避け、ゼロスポーツに対してベース車両の変更と30台の納品の繰越を認めないという通知をしたのが118日。それは1月納品期限である21日のわずか3日前であった。ついに大口契約を背景に集めた運転資金は口座ごと凍結され破産に至る。


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