2011年3月7日月曜日

アルミでどこまでできるか実験してみた結果のEVエバワン

ビッグサイトで開催された国際二次電池展。EV開発の活発化の影響もあってか、第2回目の今年は規模が2倍に拡大。二次電池の研究、開発、製造に必要な部品、材料、装置などが展示された。


そこで展示されていた、古河スカイ社の「エバワン EVA-01-RS」というコンセプトEV。古河スカイはFBバッテリーでおなじみの古河電池と同じ古河電工グループで、アルミ素材を作っている企業。このエバワンは、アルミでどこまでできるのかという実験で製作したものという。そのためフレームをはじめ、各所にアルミがふんだんに使用されている。

公道走行はいまのところ不可、会社敷地内で実験をかさねているとのこと。230kgと軽量で、満充電での航続距離は35km、最高速は60km/hを超えるという。EVはバッテリー重量がかさばるので、ボディの軽量化が求められているので、このアルミ加工技術はアドバンテージだ。

2011年3月6日日曜日

なぜ日本のEVベンチャー「ゼロスポーツ」が破綻したのか?

先月、ある上海の自動車工場で、偶然ゼロスポーツの中島社長とお会いした。その直後のニュースで「ゼロスポーツ」が破産申請をすることを発表した。えっ~~~と愕然とした。ゼロスポーツは20108月、日本郵便から集配用EVとして1030台約35億円の受注をし注目された。来年度末までに残りの1000台を納品する予定だった。しかし、121日の最初の納期に車両が間に合わず、日本郵便から契約解除の通知および契約金の2割である約7億円が違約金として発生する通告があった。

なぜ、2001年からコンバージョンEVの制作経験を持ち、実証実験として日本郵便に合計10台のEVを納品実績があるゼロスポーツが1月の20台納品に間に合わなかったのか。昨年8月の日本郵便からの発注1030台はスバル『サンバー』をベースに、集配用途に合うように現場の声を反映させた言わば日本郵便とゼロスポーツの共同開発のEVだった。

ゼロスポーツは随時契約の条件を満たしていたのだが、サンバーからハイゼットへの車両変更が条件外になるおそれがわかった。ここを付かれて契約解除にいたった。日本郵便はベンチャー企業のために危ない橋を渡ることを避け、ゼロスポーツに対してベース車両の変更と30台の納品の繰越を認めないという通知をしたのが118日。それは1月納品期限である21日のわずか3日前であった。ついに大口契約を背景に集めた運転資金は口座ごと凍結され破産に至る。


2011年3月5日土曜日

イタリアの学生7人が考えるアバルトの未来。


ジュネーブショーで発表されたEVスポーツのデザインスタディモデル「scorpION by Abarth」。1966年に設立された欧州を代表するデザイン専門学校である、European Institute of Designは、世界7カ所で開校しており、総学生数は800人以上に達する。イタリアトリノ校の学生7名が「アバルトの未来のスポーツカー」をテーマに製作したものが、このスコーピオンだ。車名はアバルトのエンブレムのサソリに由来している。


空力性能を引き上げるために後輪はカバーで覆われる。OZレーシングのアルミホイールにピレリタイヤと足下はイタリアづくしだ。4m強のコンパクトなボディに、インホイールモーター4輪駆動。リチウムイオンバッテリーはキャビン後方に配置される。2020年の市販を想定しているとのこと。

以下はジュネーブでの展示の様子。

2011年3月4日金曜日

大胆なロードスターボディーの次期EVスマートのコンセプト


盛況なジュネーブショー。スマートから、コンセプトカー「For speed」が披露された。ちなみに現行のスマート「フォーツー」は2007年春に登場した二代目。今回のコンセプトはここからつながっているものだ。
ルーフとサイドウィンドウのない、大胆なロードスターボディーのコンセプトカー、このまま実現されるかどうかは不明だが、ヘッド・テールライトやグリルなど、エクステリアのでティールは、次期モデルへ反映される可能性大とのこと。

最大出力40psを発揮するモーターを搭載、センターコントロールのボタン操作でオーバーブーストがかかり、最大出力は7psあがる。16.5kWhのリチウムイオンバッテリー、0-60km/hは5.5秒、最高速は20km/h、航続距離は135km。

市販は2014年の予定。以下は。プロモーション・説明動画。

2011年3月3日木曜日

カーシェアリングに特化してつくられたドイツEDAG社のEV。


ワールドプレミア60台以上という、未曾有の新車ラッシュとなった2011年のジュネーブショーにて、EDAG社から発表されたEVコンセプトは、カーシェアリングに特化された「Light Car Sharing」。EDAGグループは1969年にドイツで設立され、世界21カ国で自動車関係のエンジニアリングサービスを提供している会社。2009年のジュネーブで「Light Car Open Source」を発表し、2010年にはその発展モデルを披露。今回の「Light Car Sharing」は、その延長にあるもの。


2009年の Light Car Open Source

ユーザーはスマートフォン経由で、車両の現在位置や予約状況などの情報を得て、最寄りの車両をレンタルできるという仕組み。小型のボディーは、コンポジット素材やプラスチックを多用し、軽量にしあげられている。またバンパーやシートなどの各部品は脱着可能で、好みのスタイルに仕上げることが可能。



EVの駆動系に関する詳細は明らかにされていないが、同社によると、リチウムイオンバッテリーを採用、最高速は100lm/h、フル充電からの航続距離は100kmの性能を確保しているとのこと。

以下はプロモーション映像。1:03に、地面とLight Carとの間に、電気が流れているような模写の、気になるシーンがあるのだが、これはシェアリングとき、規定の駐車スペースにとめておくだけで、非接触充電されるということなのだろうか。

2011年3月2日水曜日

BULIIの愛称で有名な名車VW TypeⅡの61年後の発展形。


ジュネーブショーで初公開されたフォルクスワーゲン社のコンセプトEV「BULII」。BULIIとはブルドックの意味で、VWの誇る名車「Type 2」の愛称として欧州ではよく知られている。今回のこのEVは、2001年に制作されたType2の復刻コンセプトカー「マイクロバス」のさらなる発展形。

最大出力115ps、最大トルク26.5kgmのモーターを搭載。リチウムイオンバッテリーを床下に配置。0-100km/h加速は11.5秒、最高速は140km/hでリミッターが作動する。1回のフル充電での巡航距離は300km。


スタイリングはType2の現代流アレンジ。ボディサイズは小さめ、全長4mを切るコンパクトさだが、フロント3名、リア3名が乗れる6シーター、容量はたっぷり370L。インテリアの特徴はダッシュボード中央にiPadが情報集中端末として装着されている点か。

以下は現在おこなわれているジュネーブショーでの展示の様子。シートを倒してベッドのようにもできるようだ。

2011年3月1日火曜日

今日から始まるジュネーブで発表される各社のEVたち

EV時代が本格的到来したと言える2011年。今日からサロン・アンテルナショナル・ド・ロト (Salon International de l'Auto) 、通称ジュネーヴ・モーターショーが開幕する。1905年から続く長い歴史があり、世界5大モーターショーの一つでもあるここで、たくさんのEVが発表される。

既に取り上げたロールスロイスのEVモデルBMWの市販EVの正式発表はもちろん、トヨタや日産など他のいくつかのメーカーからも発表がある予定。


日産のツーシータースポーツカーEVの「ESFLOW」


Rinspeed社の「BamBoo」

ジュネーブショーの予告映像。