2011年8月10日水曜日

10年後のEVの外観は、逆に昔のMINIやBeetleのようなラインになる?



世界鉄鋼協会の自動車分科会であるワールド オート スチール(World Auto Steel、WAS)が明らかにした、次世代鋼鉄製自動車「FSV(Future Steel Vehicle)」の内容。2015~2020年に発売するEV(電気自動車)を想定して、世界の鉄鋼メーカー17社から、自動車メーカーへ提案するというもの。高張力鋼を多く使用して軽量化をはかり、ホワイトボディ(構造体)の質量を、現行の同クラスのガソリンエンジン車に対して35%ほど軽い、188キログラム程度に抑えるという。

35%軽くするには、引っ張り強度が1000メガパスカル級の高張力鋼を鋼材全体の40%以上、1500メガパスカル級を30%以上使用する。この高張力鋼、加工がとても難しい。大きな力が必要だが、下手に力をかけると割れてしまい、プレスしたはずがもどってきてしまうこともあり、なかなか精度がでない。これを上記のFSV案では、1000メガパスカル級以上の高張力鋼は、車体の表面に出さなく、表面は加工の容易いもので覆ってしまう考え。たとえばドアは3枚重ねで、表面は600メガパスカル級。


しかしこの状況を、逆手にとれば、MINIやBeetleの時代に似ていると言える。まだ鋼鉄の加工技術が未熟で、あの鉄板たちを加工するのには、あのデザインが限界だったあの時代。ということは、今回もそういった鋼鉄加工の技術限界にあわせて、それを覆い隠してしまうのではなく、あえてそれを外に見せることで、新しい世代としてMINIやBeetleのような無骨なデザインのクルマが出てくるかもしれない。


ソースは日経ビジネス浜田 基彦

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